映画『悪魔のいけにえ』感想
タイトル 『悪魔のいけにえ』
点数 3.7/5.0
・ホラー映画について思うこと
・5人もいるのにすぐ死んでいく
・残り1人が捕まってからが本番
映画『悪魔のいけにえ』を見た。
令和最初の投稿だけれども特に関係はない。
ホラー作品の傑作と言われていて、時間も83分と短くてパッと見れるので見てみた。
私は最近ホラー映画はあまり見ていなかった。
グロテスクなものが好きではないということもあるが、ホラー映画をいくつか見ていくうちに、ホラー映画はアトラクションだと思うようになったからだ。
どういうことかというと、ホラー映画は遊園地にあるお化け屋敷と同じで、友人やカップルで映画館に行って2時間ほど怖い「体験」をするためのものだということだ。
もちろんそういった要素が映画に求められているものの一つであることや、ホラー映画でもそういった作品だけではないこともわかる。
ただ、ホラー映画は特にアトラクションとしての性質が強いものが多く、私が映画に求めているものとはかけ離れているように感じられるようになったからだ。
ここからが映画の感想。
話は5人の若者が車で、テキサスの田舎を訪れるところから始まる。
短い映画ということもあってか、1人が殺されると5人もいるのに結構なペースで殺されていく。
殺されるシーンもそこまで怖くない。
70年代の映画だし、予算も少なかったからだろうか殺人のシーンでグロテスクなシーンが直接画面に映し出されていることは少ない。
そういった部分では私にも見やすい作品だった。
しかし、殺されるシーン自体よりも怖いのがそれまでの雰囲気。
登場人物たちの汗や薄汚れた感じが常に緊張感を演出し、しかもそこにびっくりするぐらいぴったりな恐ろしい効果音が鳴り響く。
始まってから最初の1人が殺されるまで結構な時間があったが、ずっと緊張しっぱなしだった。
あっという間に4人殺されて残り1人。
ここから残ったサリーと殺人鬼レザーフェイスとの追いかけっこが始まる。
チェーンソーを持って木の枝を切りながら追いかけているレザーフェイス。
かなり必死な感じで追いかけてきて見ているだけで恐ろしい。
チェーンソーを持つのは『13日の金曜日』のジェイソンではないと聞いたことがあったが、この作品だったとは。
散々追い回された後、殺人鬼一家に捕まってしまったサリー。
ここで殺されて終わりかと思ったら、ここからがこの映画の重要なところだった。
狂った一家の人々の姿は、これまでの恐怖とはまた別の恐怖を感じさせる。
それまでの恐ろしさが自分の命が奪われるというものなら、ここでの恐怖は見ている方が発狂してしまいそうになるような感じ。
そしてそこから何とか逃げ出すサリー。
後を追ってくるレザーフェイスとその兄。
最後の一連のシーン、特に血まみれで必死に叫ぶサリーの姿は圧巻だった。
昔の映画だからか、変に凝っていなくて面白かった。(むしろ近年の作品がこういった作品の焼き増しにならないように苦心しているだろうか。)
特に常に感じられる緊迫感と独特な恐怖は素晴らしかった。
たまにはホラー映画もいいね。