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映画『ダークナイト』感想

 ダークナイト (字幕版)

タイトル 『ダークナイト
点数 4.1/5.0
・面白い部分とそうでない部分の落差が大きい
・悪役が良すぎる
・ヒロインがおばさん

 
バットマン ビギンズ』に次いで『ダークナイト』を見た。


syakasyaka48.hatenablog.com

 

全体の感想としては、面白かったが、面白いところとそうでない部分の差が大きい作品だった。

 

ストーリーとしては大変魅力的な悪役「ジョーカー」とバットマンとの対決の話である。
ジョーカーは次々と事件を起こし、バットマンを苦しめていく。
この事件1つ1つの話は見ていてすごく良かった。
最初にジョーカーが出てくるシーンや香港でのバットマンによる襲撃、留置場での尋問シーンなどそれぞれのシーンはとても面白かった。
特にバットマンが乗る「バットモービル」から「バットポッド」が出るシーンが印象に残った。
バットモービルが修復不可能となると、どうなるのかと思いきや、片方の前輪が回り出し、バットポッドが出てくる。
このバットポッドの特にかっこいいと思ったところは、タイヤと音だ。
ただでさえ特殊な形をしたバイクなのに、曲がるときはタイヤが横回転して滑りながら回る。
まさにヒーローが乗る特別なバイクという感じがした。
これも音を含めたかっこいい見せ方によるものだろう。

 

ただ、こういった事件1つ1つはいいのだがそのつながりの部分が残念だった。
警察をはじめとした登場人物が間抜けな行動をしたり、ジョーカーの手際がやけによかったりと急にアメコミレベル、エンタメレベルの話に落ちていく。
それまでが良かったために急に現実に戻された気分だった。
けれども、その後のシーンがまた面白いのでまた作品に引き込まれて、その後また落とされてと面白さに波を感じながら見ていた。
これはヒーローが活躍するアメコミが原作な以上、仕方がないことなのかもなと思うところもあった。

 

この作品は「バットマン」と「ジョーカー」の対比が大きなテーマだ。
ゴッサムシティから犯罪をなくすために日々戦っているバットマンと、そのバットマンがいるからこそ次々と事件を起こしていくジョーカー。
ただ、このジョーカーが良すぎた。
演技の妙や設定の功もあるのだろうが、悪役としての出来があまりにも良すぎた。
このジョーカーは狂ったようなキャラクターだが、言っていることはかなり的を射ている。
その悪役を超えていくことがこの作品の重要な部分であり、悪役の出来が良いほどその部分が面白くなるのだが、出来が良すぎるためにそれまでが見ていてつらく感じる。
これは作品の出来が素晴らしいともいえるのだが、前述したように面白さに波があるため、どうしてもつらく感じてしまった。


あとヒロインがおばさん顔で、ヒロイン関連の部分にあまり感情移入できなかった。
前作から年数がたっているから老けたのかと思ったら、そもそも前作とは役者が別の人だった。
これは少し残念な気がした。


最後に余談だが、映画が始まった最初のころは検事のハービー・デントがジョーカーかと思っていた。(原作を知っていればあり得ないのだが。)
バットマンが良かれと思っていろいろとやるが、実はジョーカーの手のひらの上で踊らされていた、そんな感じの話かと思っていた。(デントはジョーカーではなかったがそれに近い話ではあった。)
ただ、この作品は「バットマン」と「ジョーカー」の対比が大きな要素であるのに、そこに「デント」の話まで混ざっているためにやや話にブレが生まれているような感覚が見ていてあった。

 

次は3部作最後の『ダークナイト ライジング』を見ようと思う。